造形の到達点の一つとして、如何に忠実に実在する物を再現出来るかがあるが、実のところ、この到達点は人間の手による造形よりもコンピューターと機械で成されている。
だが、不思議な事に正確無比に造形された物には、魅力を感じる人が少ないばかりか不自然に感じるのだろう。これは人が人に惹かれる理由によく似ていて、完璧過ぎる人には不自然さを感じるようなものなのだろう。
造形物の何処かに人の手による物だという感覚や自然さを欲しがるように、身につける物であれば尚の事であろう。
Dualflowの杉山孝博が行なう造形には正確さの中に独特の手癖のようなアクが存在している。日本古来のモチーフやトライバルを組み合わせたデザインの斬新さは、その造形力によって見事に調和され、全てのラインが存在する事の不自然さを感じさせない。
正確無比に見える造形がこれだけ魅力的なのは、制作者の意志がしっかりと宿っている証拠だろう。見たままを彫る事でオリジナルとするのでは無く、見た印象を自分の中で消化し再構築する事でオリジナルの物を生み出す。
その時に活きてくるのが自分だけが持っている意志というアクの強さだとでも言いたげに訴えかけてくる作品達。
鈍い輝きに抑えられた仕上げが、身に着けると主張と同じしっとりと馴染んでくる。
ツールが発展すればする程、人の手によって生み出される物が減っていく中で、造形力に裏打ちされた制作者の意志を感じ取る事の重要性と素晴らしさを
Dualflowの作品にみ見る事ができる。
















